投資をされている方ならご存じでしょうが、世の中には「ファンドマネージャー」という職業があります。
ファンドマネージャーは情報収集や分析を日々行い、責任をもって預かったお金を運用している
安田生命アセットマネジメント/ファンドマネージャってどんな人?
という職業ですね。
FIREして無職になった後、そんなお仕事を始めたお話です。
優待クロスに手を出したきっかけ
サラリーマン時代は安全資産の運用先として、財形住宅と個人向け国債を主力に据えていた。財形住宅の利回りは0%に近いものの、会社からの利子補給が受けられるし、個人向け国債は証券会社のキャッシュバックキャンペーンで、実質的な利回りは悪くなかった。
ところが、会社を退職すると財形住宅はできないし、ここ数年で個人向けの国債のキャッシュバックキャンペーンがしょぼくなってしまったため、運用先に困ってしまった。
そこで目を付けたのが、優待クロス。
その存在自体は知ってはいたものの、信用取引というハイリスクな取引手法を利用するため、全く関心がなかったが、すこしでもお金に働いてもらわないといけない立場となったため、一念発起して取り組むことにした。
あと、FIREすると納税額が激減するので、ふるさと納税ができなくなるけど、
株主優待は、ふるさの納税の代わりにもなるしね。
ほろ苦いデビュー
2021年10月の後半から優待クロスを開始。10月~11月は閑散期のため、それぞれ5銘柄にとどまった。たいした作業もなく簡単だったものの、不慣れなのと準備不足で余計な手数料や貸株料を支払ってしまい、利益は各月1~2万円程度に終わった。
そして迎えた12月。株主優待を実施する企業数が1年で2番目に多い月とあって、てんてこ舞い。
まずどんな株主優待があるのかを調べてデータベースを作成するも、銘柄数が多いため、この時点で負荷が高い。次に貸株料や貸株の在庫量をみながらどの銘柄から建てていくかを検討し、連日17時からの争奪戦に参戦しながら在庫を見つけ次第、注文を繰り返していくという作業に追われた。
12月下旬の佳境を迎えると、今度は日興証券の口座で資金不足に陥いる。銀行口座や他の証券口座の余剰資金をかき集めて振り込もうにも、振込手数料の無料回数枠も使い果たしたため、最終日にはコンビニATMから入出金する作業も加わり、最後の余力をどの銘柄に配分するかを決める作業はまるでパズルを組み立てるかのような忍耐を強いられた。
作業のなかでも一番きつかったのが在庫を調べる作業で、PCの前に張り付いて復活した在庫がないか確認し、見つけ次第拾い集めることに時間を食われた。
こうして相当な作業時間を費やして51銘柄確保しましたが、コスト控除後の利益は10万円程度にとどまった。
あんなに苦行に耐えたのに、あまりのタイパの悪さに泣けてきた。
まるで、ブラック企業に勤めている気分。
追い打ち
さらに、追い打ちをかけたのが誤発注。売りは約定しているのに買いが約定していない系のミスは4回くらいやらかした。銘柄数が増えると一気に難易度が高くなることを思い知らされた。
また、証券会社の画面設計がクロス取引に最適化されていないことも誤発注の一因で、数十銘柄も取り組むと、注文やポジションがクロスになっているかどうかが分からくなってしまい、発注ミスに気が付けない。特に日興証券は注文やポジションをCSV出力する機能もないので、表計算ソフトに取り組んでポジションや注文がバランスしているかどうかのチェックをすることもできない。
画面に表示されたポジションの一覧をコピー&ペーストで表計算ソフトに張り付けると、今度はセルの結合問題で作業負荷が高く、この点は改善してほしいところ。
優待の多い月は未だに誤発注が止まらない。
薄利の優待クロスでこれは痛い。
ブラック企業からホワイト企業へ
再び閑散期に入る1月の間に12月の反省を踏まえて対策を練り、来る2月~3月の天王山に向けて作業負荷を軽減するための仕組みづくり(早取り含む)に専念したので、だいぶ作業時間は削減できた。
さらにマイクロ法人名義のクロス取引を追加して、利回りの向上にも取り組み中。
作業時間の削減と利回りの向上で、ようやくホワイト企業に転職した気分になった。
とうことで、FIRE後は
ファンドマネージャーとして情報収集(=在庫確認)や分析(=資金繰りや貸株料の計算)を日々行い、責任をもって預かったお金(=自分のお金)を運用(=優待クロス)している
という労働に従事しているというお話でした。
FIREすると争奪戦にも参加しやすいし、獲得した優待でFIRE生活のQOLが爆上がりするので、優待クロスとFIREは相性は抜群だね。
Have a happy FIRE life!
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