
サマリー
初学者が3か月計220時間ちょっとの独学で、宅建試験1発合格した(つもりの)記録です。
かかった費用は、受験手数料(8464円)+書籍代(3冊計7370円)=16000円。
きっかけ
noricronは株式投資(配当金+優待)でFIRE生活を送っていますが、将来的には自宅の購入も含めた不動産投資の可能性もあるので、不動産について勉強しようと思いました。それなら何か目標があった方がよいだろうと思いついたのが、不動産関連資格試験の受験。
”宅建”とかいう資格があったことを思い出し、ググってみたら、なんと翌日がインターネット申し込みの締め切り日。
宅建試験は年1回の試験なのでこれを逃すと1年後。ということでひとまず申し込んでみたら、試験会場がほとんど埋まっていてヒヤッとしたが、幸い自転車で行ける会場を申し込めた。
この時点で、試験まであと88日。
勉強方法
noricronは不動産初心者です。工学部出身のエンジニアだったので法律関係も疎いです。
何年か前にFP2級を取得した際に、不動産や相続について学んだことはあるものの、それもほとんど忘れています。
趣味で受けるので、高いお金を出して予備校や高い教材に手を出すつもりはなく、時間もないので市販のテキスト1冊+問題集1冊で乗り切ろうと思いました。
テキスト&問題集選び
まずは、売れ筋のテキスト&問題集をググってみるとツートップは、
- 宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト
- 権利関係みんなが欲しかった! 宅建士の教科書
早速近所の本屋で立ち読み。
結果は、「無し」。
noricronはカラフルなテキストが嫌いなので、上記の2冊は生理的に受け付けませんでした。
代わりに選んだのが、
①「らくらく宅建塾(宅建学院)」
②「わかって合格る宅建士分野別過去問題集(TAC)」
③「本試験をあてるTAC直前予想模試(TAC)」
注)③は9月に購入
①は他所に比べるとかなり独特な作りで、立ち読みした限りでは
- 講義調で初学者には読みやすい
- なぜそうなっているか、理由も書かれている
- 豊富な語呂合わせ
- 記載範囲をテストに出る可能性の高い箇所に絞っているので、量が少なく読み進めやすい。
という印象でした。
あとで思い知らされることですが、宅建の試験は宅建業法や各種規制を覚えないと問題が解けないようになっていて、語呂合わせやYoutubeで紹介されている覚え歌の助けを借りないと、かなり苦戦するので、この本を選んで正解でした。ボリュームも絞られている(他所よりページ数で2割くらい少なく、フォントも大きい)ので、初学者でもサクサク読めます。
一方で、ボリュームを絞った結果として、②の過去問を解いてみると、①のテキストでは見たことのない用語や論点がちょこちょこ出てくることになるのですが、これは無視せずに都度ググりながら、覚えていく必要があります。
問題集についてはどの本も見た目に大差ない印象だったので、選んだテキストの姉妹書を選んでおくのと勉強しやすいはず。
①の姉妹書と思われる問題集は3分冊で売られており、3冊そろえるとお金がかかることに加えて、量が多すぎて消化しきれないと感じたので、比較的解答の解説が充実していそうな②を選びました。(実は分冊されていないバージョンも売られていたかもしれない)
ここで大事なことは、「分野別」の過去問を選ぶことです。分野別のほかに、10年分くらい集めた「年度別」の問題集も売られているので、間違えないようにしましょう。分野別の過去問集は、どの本でも300題強収録されているので、勉強期間が3か月しか取れない場合、年度別まで手を出せる余裕は全くないです。

書籍は株主優待でゲットしたQUOカードで購入。受験料もQUOカードを売却した資金で手当てしたので、今回の試験は自己負担実質ゼロ~。
あとは気分転換もかねて、Youtubeの宅建関連動画をときどき視聴しました。
よく見ていたのはこちらです。

こうしたコンテンツをフル活用して、とにかく覚えないと合格は無理ゲー。
勉強の計画
とりあえず以下のような、大まかなスケジュールを決めてスタート。
- テキスト&問題集を買いそろえたのが、7月24日(試験まであと83日)。ここから勉強すると標準の学習時間300時間÷83日=3.5時間/日。1日の勉強時間の目安を3.5時間程度に設定。
- 権利関係(民法など)は、勉強しても点が伸びないという噂なので、まずは配点が大きく暗記できれば点に最重要分野の宅建業法からスタート。学習の順番は、「宅建業法」⇒「法令上の制限」⇒「その他の分野」⇒「権利関係」。
- 8月中に分野別過去問集を4周(これはYoutubeで自分より若い東大卒の方が覚えるのに4周かかったと言っていたから。実際自分でやってみて、確かに3週までは覚えられなかった)したあと、9月に予想模試数回分を解いて、解くスピードや解く順番を決めて、残りの期間で出来の良くない分野と出題率高い分野を集中的に勉強する。
勉強実績
試験勉強開始から試験当日までの日々の勉強時間の記録↓

合計で84日間(試験当日の午前中も含む)224時間を費やした。勉強しなかった日は1日のみ。

勉強時間0の9/30は、翌日から燃油サーチャージがUpするので、特典航空券の検索&発券作業に終日追われて、宅建どころではなかった。。。
分野別の学習時間は下表のとおり。
分野 | 学習時間(時間) |
宅建業法 | 52 |
法令上の制限 | 49 |
その他の分野 | 18 |
権利関係 | 59 |
予想模試(5回分) | 46 |

7/24-8/7
宅建業法・法令上の制限・その他の分野の1周目。
①のテキストを1章読んでは、②で該当する箇所の問題を解く、の繰り返し。これを3周繰り返すが、とにかく最初は覚えられない。1周目にできなかった問題は2周目もできないので、この時期が一番辛い。3周目を終えたところで、ようやくだいたい解けるようになる。
ちなみに”解ける”とは、各問の4つのすべての選択肢の正誤を根拠付きで説明できるレベルを指している。全部で300問強あるので、計1200個の一問一答を解いている感じ。消去法で解いた問題はできたことにはならない。
8/8-8/18
「権利関係」の1周目スタート。あわせて、「宅建業法・法令上の制限・その他の分野」の2周目を並行して進める。
1周目でできなかった問題は相変わらずできない状態なので、全問解き直し。
8/19-8/27
「宅建業法・法令上の制限・その他の分野」の3周目と、「権利関係」の2周目。
相変わらず、2周目でできなかった問題をほとんど忘れている状態。

初めから最低4周必要なことは覚悟していたので、計算通り。勉強する習慣も身についていたので辛くはなかった。
8/28-9/15
「宅建業法・法令上の制限・その他の分野」の4周目と「権利関係」の3周目。
権利関係は時間を割いても得点が伸びないと聞いていたので、他の分野より周回数を減らしている。
4周目は、これまでに解けなかった問題のみ消化。
この段階でようやく記憶が定着した感じがした。

4周目に入るとさすがに飽きてきた・・・
9/16-9/24
予想模試の1周目。
③の教材の4回分を消化。1回分の問題を解くのに2時間弱、答え合わせと間違えた個所の復習に1日半かかったので、1回分を消化するに約2日かかった。
点数は合格ラインに、はるか及ばず(後述)。

飽きてきたころなので、予想模試で気分転換できてよかった。ただ思ったほどできなくて、黄色信号が灯った状態。
9/25-10/7
「わかって合格る宅建士分野別過去問題集(TAC)」の5周目に突入。
予想模試1周目の結果を受けて、「宅建業法・法令上の制限・その他の分野」の5周目と「権利関係」の4周目に突入。
4周目は以前にできなかった問題のみしか解いていないので、だいぶ時間が空いてしまって記憶があいまいになっている個所を強化するため、全問消化することにした。ただし正答できた選択肢の解説はスキップして時間を節約。
10/8-10/12
予想模試2周目は過去問セレクト(過去問から構成した模試)と第1回~第4回の計5回を連日消化。(1日に1回分ずつ)
2周目でようやく合格ラインを越えることができた。この段階で本番試験まで、残り2日。
10/13-10/15
試験日当日を入れると3日あるので、「宅建業法」1日、「法令上の制限」1日、試験当日の午前中に「権利関係」を見直して、試験に臨んだ。
予想模試の結果
予想模試の目的は、問題を解く時間が試験時間に収まるか、解く順番の確認、7割取れるか、の確認。
1周目に分かったこと。
・権利関係を一番最後に回せば、試験時間が不足することはない
・まだ合格できるレベルに達していない
時間は不足しないのは意外な結果だった。もっとも分からない選択肢が多すぎた結果、時間が余っただけとも取れる。ちなみに分からない問題については無理に回答せず、解答欄を空白にしたまま採点している。
模試 | 合格ライン | 1周目 | 2周目 |
第1回 | 38 | 31 | 36 |
第2回 | 37 | 31 | 38 |
第3回 | 36 | 33 | 40 |
第4回 | 35 | 24 | 39 |
過去問セレクト | 不明 | パス | 48 |
過去問セレクトは過去問の寄せ集めで、見たことある問題ばかりなので、時間がなければスキップしてよいと思う。
テスト結果
自己採点:39点(権利関係8/14、宅建業法18/20、法令上の制限6/8、その他7/8)
問2の「相隣関係」、問5の「不在者」、問7の「配偶者居住権」、問10の「抵当権順位の放棄」は①のテキストで触れられていないテーマで、さっぱり分からず少々焦った。
それでも①のテキストに記載されている内容をすべて(欄外に小さな字で書かれている注釈も含めて)頭に入れて、分野別過去問をきっちりこなせば、ボーダーラインには届くと思う。後は運ですね。

試験後に予備校各社から発表されている予想ボーダーラインが37点なので、マークミスがなければ合格できそう。
なお、落ちても来年の再受験はしないつもり。
悩ましいのは合格していた場合で、試験に合格しただけでは宅建士にはなれず、実務経験がない人は講習(有料)を受けて、登録(これも有料)してはじめて、宅建士を名乗れる。登録した後も5年に1回更新の手続き(有料)が必要になるので、資格の維持費が発生する。

最近の株価下落で、お金がない。。。
あぶく銭をつかんだら、資格を取るかも。
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